私は、据付現場での電気計装に関する調整員として、このプロジェクトに携わり、主に巻出、巻取装置の調整を担当しました。お客様側の生産オペレーターの操作及びメンテナンスが行いやすく、より安全な装置となることを心掛け、試運転作業を実施しました。
私が過去に携わった装置の中で、最も大きい規模の装置でした。チェック項目が非常に多く、仕様を満たしているか、インターロックはしっかり取れているのかなどの確認及び調整がかなり大変でした。
このプロジェクトでお客様に納めた装置は、これまでに関わってきた装置とは異なり、調整作業の中で新しい発見が数多くありました。調整員という立場ではありましたが、良い経験となったと感じています。
出張中の生活の面については、長期の滞在となりましたが、休日は当社の出張メンバーやお客様の担当の方とスポーツをしたり、観光するなど、充実した日々が送れました。お客様と良好な関係を作ることが、良い装置を作り出すのに必要なことだと学べました。
電気計装部
私は製造部に所属しています。製造部は当社の装置を組立てるだけでなく、完成した装置をお客先の施設に設置する工事（据付工事）の現場指揮も行います。
このプロジェクトでは、構成される機械を据え付けると80mにも及ぶ大きなものです。当社が初めて設計するものも多くあり、営業、企画、設計、資材、製造の垣根を越えて設備の完成を待つお客様のため、これまで培った経験を含め最大限の能力を発揮して装置の組立て、据付けをしました。
このプロジェクトで特に気を付けたことは、お客様、取引会社様、現地作業員、通訳の方などと綿密にコミュニケーションを取りながら仕事を進めることでした。２時間に１回、各拠点の担当者と問題点や進捗の様子を確認するツールボックスミーティングを行い、修正する場合も最速で対応しました。顔と顔を合わせ、本音で話をすることで現場のみんなが同じ方向を向いて仕事ができました。コミュニケーションが大事なことは、万国共通なのかもしれないと感じました。
組立、据付作業での苦労は数えきれないほどありましたが、現場のメンバー全員で克服して、計画どおり大きな設備が動いたときは、製造担当者として最高の瞬間でした。現地での仕事は100日に及びましたが、このプロジェクトで得られたコミュニケーションの大切さと、全員で作業にあたることのすばらしさは、後輩にも伝授し、このプロジェクトを通じて得たノウハウ、経験をもとに製作技術の発展につなげていきたいと思います。
製造部
チーフ
このプロジェクトは資材担当者にとっても大規模なプロジェクトでした。資材を調達する価格は過去にない規模となり、調達価格により利益が大きく変わることになるため、緊張の連続でした。
これまで調達実績のないものや、調達価格の大きなものを手配する必要が多数ありましたが、このプロジェクトについては、特に、実績のないものについての価格交渉、仕様確認、品質、納期管理などこれまでにない注意を払いました。調達品の納期遅れは、そのままプロジェクト全体の工期に影響してくるので責任は重大でした。
例えば、ある装置の部品が受注時から納期が間に合うかどうかという状況の中で、頻繁に取引業者の担当の方と連絡をとりあい、取引先の工場にも数回出向くなどして取引先のご担当の方にもご協力をいただきながら、納期短縮に努めました。また、当社製造部門の担当者と組立工程を調整し、必要時期を明確にし、優先順位をつけることなども行いました。その結果、遅延なく装置を出荷することができました。
その他の調達品についても納期遅れを起こすことなくすべて対応することができました。また、入念な価格交渉で利益にも貢献できたと考えています。
このような大型案件については、資材部門だけでなく、関係部門との密接な報連相を行い、仕様の確認、品質、工程管理を行うことで、納期遅れがなく、お客様の要求を満たす装置を納入することができると改めて勉強しました。この経験は、担当者だけでなく資材部門全体の共有事項として当社のノウハウとして活かされています。
資材統括部
購買部
次長
–>
